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●ドメーヌ・ド・モンヴァック
袖口にフリンジのついたおしゃれなセーターを着ていたセシルさんは、明るくて感じの良いマダム。主人が「おしゃれですね」と褒めると、「今日は特別。畑にいる時はひどいのよ」と笑っていました。セシルさんの農作業姿というのも見てみたい気がします。
●8月29日(木) ドメーヌ・デュ・ペール・カボシュ
まずは試飲からということで、半地下になっているテイスティングルームへ。使い込まれた焦げ茶色の大樽が5つ6つ並び、全ての樽には様々なコンテストの賞状が飾られています。小柄で温和そうなセラーマスターが、ブランデーグラスのようなグラスにシャトー・ヌフ・デュ・パプの白2001を注いでくれて試飲。シャトー・ヌフ・デュ・パプの一番の特徴は、許可品種が13種類もあるということですが、最近では、13品種全てを栽培している蔵は数えるほど。この蔵は、その数えるほど少ない貴重な存在の1件なのです。ここの白はブール・ブーラン40、クレレット25グルナッシュ・ブラン25、ピクプールとルーサンヌ10%というように、5品種を用いて造られています。樽熟せず、低温発酵でマロラクティック発酵(乳酸発酵。鋭い酸味のリンゴ酸を、温度を上昇させることにより円やかな乳酸に変化させる)も行わないため、すっきりとしたさわやかさを感じ、私が苦手な「南のボテッとした白」ではなくて美味しい!赤も使用品種は多く、グルナッシュ70,シラー15,ムールヴェードル7、サンソー8%・・。除梗(葡萄の粒の間の茎を取り除くこと)するのが主流の現代でも、この蔵は除梗なしで複雑さを出しています(ヴィンテージによっては除梗する年もあるそうです)。ヴィンテージ違いで2000年と2001年を試しましたが、さすがにどちらもまだ少し固さは感じました。このあと、上級品も試したところ、これも熟成した方がいいのは明らかながら、力強さが際立っていて、とても好みでした。そしてこの蔵でもうひとつ気に入ったのがヴァン・ド・ペイ。アンティーク調のラベル(案内の上田さんは「このラベル汚れてるんじゃないですか?」と言っていた・・。違うってば・・)がすごくおしゃれでプレゼンが良い上に、クセのない飲み易い味、お手頃価格と揃っており「これは売れるぞ!」と、商売人の血が騒いでしまいました(笑)。 さて、村長の車に載って高台の畑へ。シャトー・ヌフ・デュ・パプの畑は、漬物石のような大きな石だらけであることで有名ですが、実は土壌は2種類あって、平地の畑はそれほど石だらけではありません。丘の畑が石だらけなのです。このあたりは太古の昔、ローヌ川の川底だったのです。畑は、特大の男爵いもが敷き詰められているような不思議な風景。このごろごろした石が、日中に太陽熱を蓄え、夜に熱を放出することにより積算温度が上がり、より熟した葡萄の収穫を可能にするのです。 村長は、「この木はグルナッシュ、こっちはシラー、これがグルナッシュ」と次々教えてくれるのですが、私にはどれも同じに見えます。「なんで区別できるんですか?」と聞くと、葡萄の葉を一枚ずつちぎって形の違いを見せてくれました。確かに形は違うけど、良く見ないとわからないので、やっぱりこれは経験の差でしょう。葡萄の実も良くみると微妙に色調が違います。そして、葡萄も食べ比べてみると、当たり前ですが全部味が違いまして、中でも「クノワーズ」という品種は味があまりありません。「これはあんまり味がしないですね」と言うと、「それがクノワーズの特徴で、糖度が上がるグルナ ッシュなどの緩衝材的な役割」とのことでした。うーん、奥が深いぞ! 写真を見て頂くときっと、「この畑、どうやって水を蓄えるんだろう?」と思うでしょう。ちゃんと石の下(かなり下ですが)に土の層がありますのでご心配なく。去年のドイツのスレートの畑でも思ったのですが、地球ってすごい!植物ってすごい!自然は偉大だ!と感じます。実際に葡萄畑に来ると、日々のワイン販売のこまごまとしたことに振り回される自分の小ささを感じずにはいられません。醸造技術(技術というより、テクノロジーという感じでさえある)は日々進歩していますが、やっぱりワインは畑で造られるもので、「良いワインは良い葡萄から」という基本がこれからもそうあって欲しいと願います。
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![]() かわいらしい看板が出ています。クリーム色がイメージカラーのようで、建物もこれと同じ色。すっきりシンプルな印象です。 ![]() 左側が醸造タンクで、この足元に地下タンクにつながる蓋があります。右側は圧搾機。奥が瓶詰め作業場です。 ![]() 上の写真の醸造タンクの真下が、この地下熟成タンクです。機能的な作りになっています。 ![]() 醸造を担当するご主人も優しそうな方で、2人並んだ写真を撮らせて欲しいと頼むとちょっと照れた様子ながらソファに座り、にっこり。この仲の良さもワインの味に影響するのかもしれません。 ![]() これが、今は廃虚となっているシャトー・ヌフ・デュ・パプ。 ![]() 試飲のワインを注いでくれるセラーマスター。 ![]() シャトー・ヌフ・デュ・パプ村はこんな感じののどかな田舎です。 ![]() 丘の畑は、こんな岩だらけ。じゃがいもみたいです。 ![]() それにしてもこの日はミストラルが強く、「HPで見てもらうために、どれぐらい風が強いかの写真を撮ろう」と主人が風に向かうと、来ていたシャツの裾がハタハタハタと強く風になびくのです。実は、蔵へのお土産に「南部風鈴」を買ってきたのですが、これは失敗でした。うるさくてかなわんわ・・。 |
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