「勉強のため」と思って参加したオレゴンワインの試飲会。試飲を進めるうちに、「勉強のため」なんて気楽にやっている場合ではないと実感しました。それほどとにかくレベルが高い!オレゴンと言えばピノ・ノワールが代名詞ですが、それ以外の品種にも素晴らしいものがあります!まずは、その第一弾として、このエルク・コーヴをご紹介致します。エルク・コーヴ・ヴィンヤーズは1974年にキャンベル夫妻によって設立された、オレゴンのパイオニア・ワイナリーの一つ。オレゴン州最大のAVAであるウィラメット・ヴァレーに48haの自社畑を持ち、95年からは夫妻の息子のアダム氏がワインメーカーを引き継いでいます。傾斜を利用した重力式設備を整備し、ワインに負担がかかるポンピングは止めました。彼のポリシーは「自分はただ、それぞれの葡萄の特徴を見極め、ワインに映し出すだけ」現地での評価も高く、07年ノースウェスト誌で「Winary of the Year」に輝いたこのエルク・コーヴの中でも、ピノ・グリとリースリングは常にトップにランキングされているそうです。実は、この情報は全く知らないで試飲をして(他のアイテムも飲みましたが)、この2つが優れていると思って仕入れたのです。つまり、それほどはっきりとこの2アイテムには優位性があると言えます。(でも、私の舌に狂いはなかった、とも言えます。えっへん!)こちらのリースリングはオンリーワンの魅力に溢れた1本。一口目の感想が「えっ?これリースリングなのに樽使ってる?」モーゼルのようにキラキラ光る水晶のような繊細さというよりは、母なる大地が生み出す優しさ・たくましさ・暖かさを感じるのです。まろやかで滑らか、クリーミー。もちろん、樽は使っていません。その秘密は設立当初に植えたという樹齢30年の時の流れが生み出す凝縮感でした。中程度の濃さの黄色。リースリングらしくやや強く感じるミネラル香とリンゴのような果実香。蜜リンゴや洋梨のような厚みのある甘い果実味と、シルクのようななめらかな口当たりによるクリーミーさを、美しい酸が包み込んでいます。最初の一口目で驚いて、二口目でちょっと感動してしまいます。豚肉のソテーをアップルソースで食べたくなりました。リースリングらしさとリースリングらしくなさが奏でるオリジナリティーのあるリースリング。是非どうぞ!