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お客様が求めやすい価格のワインを！それが栽培のベースになってます。
栽培について最初にお伝えしたいこと。
それは「私たちは常にお客様が求めやすい価格でワイン造りを行う」をモットーに掲げていることです。

そのためベルンハルト・コッホの葡萄栽培はオーガニックではありません。すべての畑をオーガニックで管理するのは難しく、コストもかかってしまうからです。
しかし除草剤や防虫剤は使用していません。オーガニックではないですが「Fair’nGreen」という団体に加入しています。
この団体は、ワイナリーのCO2排出量や、電気、水道の使用量、ビンの重さだけでなく、従業員の契約内容や労働状況をチェックも行う、環境に優しいワイン造りをするためのものです。

収穫について　温暖化による影響
ベルンハルト・コッホでは、畑で実際に葡萄を食べて「おいしい」と思ったタイミングで収穫します。

2020VTは非常に暑い年だったため、ピノグリをおいしいタイミングで収穫したらアルコール度数が14から15％まで上がりました。気候変動の影響によって、綺麗なアロマを持つリースリングを造るのが難しくなっています。

30年前に比べると収穫が３週間早くなっています。つまり気温がまだ暖かい中で収穫しなければなりません。
昔はリースリングの収穫は10から11月でしたが、今は９月中旬下旬と夏寄りの天候の中での収穫となります。

気温が高くなるとアロマが変わるので、リースリングにとっては嬉しくないですが、逆にピノノワールには良くなるともいえます。温暖化で葡萄が完熟するため、アルコール度数が高くなりがちです。今後、栽培品種を変える必要性が出てくるかもしれません。

ドイツではすでに、シラーやカベルネソーヴィニヨンも栽培されています。温暖化によって葡萄が育つようになったのですが、冬まで温暖化は進んでないので「霜害」という新たな問題が現れました。
昔よりも３週間発芽が早いため、春の霜の降りる時期には花穂が出ています。この状態で霜が降りると葡萄が凍って細胞が壊れてしまうため、大きな被害が出てしまうのです。

醸造について
右はステンレスタンクを置いているセラーの写真です。合計で50万hLほどのワインを貯蔵することができます。

ベルンハルトコッホでは、ひとつひとつの小さな区画の葡萄をできるだけ個別に醸造して、ワインになるまで別々に管理しています。そのため、ステンレスタンクの大きさも様々です。

いちばん小さいタンクで480L、それから1,000L、2,000L、3,000L、4,000L……というように、120個以上のタンクがあります。

その全てのタンクに温度管理機能がついています。
120個以上のタンクをひとりで管理している坂田千枝氏の仕事はとても重要です。
しかし良いワインを造るためには非常に良い仕組みです。

こちらは樽を置いているセラーです。
ベルンハルトコッホでは、長いもので２年以上寝かせるワインもあるので、常に700〜800個の樽が置かれています。

白葡萄の場合、基本的にドイツで伝統的に栽培されてきた品種、リースリングやグラウブルグンダー、ヴァイスブルグンダー等は、伝統的な1,200Lの大樽、シュトゥックで発酵と熟成を行います。

それより小さな750Lの樽も使用します。
リースリング以外のスパークリングのベースワインや、シャルドネは、ブルゴーニュ式のフレンチオーク、すなわち228Lの樽で発酵と熟成を行います。
黒葡萄の場合は、一部をフレンチオークの樽で熟成させます。

ケラーマイスターの仕事で重要なのは、それぞれの製造段階に応じて効率的に計画を立て実行することです。
80種類以上もワインを造っているので、辛口から甘口の白ワイン、赤ワイン、スパークリングワインをすべて美味しく造るのがケラーマイスターの重要な仕事です。

最高の単一畑「Letten（レッテン）」
ベルンハルト・コッホが所有する畑の中でも、最も素晴らしいピノノワールとシャルドネが育つ葡萄畑が「レッテン」です。

この畑はワイナリーのすぐ近くにあります。表土に白い石が見える石灰岩を含む混在土壌で、シルト、レス、粘土があります。ピノノワール、シャルドネに相性が良い土壌です。

この畑から少し先に行くと全然違ったキャラクターが出るというのが、たくさんの畑を所有している長所でもあります。ピノノワールは、容量20kgの小さなケースに、だいたい半分くらい、10kgほど葡萄を入れて、潰れないようにしながら手作業で収穫します。