商品説明
《ワイナリーを縦断して造られる面白いワイン》
このワイン、ちょっと生産者の説明が長くなるのをお許しください。
「アメデオ クストーツァ・スペリオーレ」はお試し頂きましたでしょうか?
14年連続トレビッキエリ、さすがの美味しさです。
「アメデオ」を造るピオーナ家はヴェネト州とロンバルディア州で3ワイナリーを運営しています。
「アメデオ」は「カヴァルキーナ」(ヴェネト州)というワイナリーからのもの。
こちらでご紹介するワインは「トッレ・ドルティ」(ヴェネト州)というワイナリーからのもの。
ちなみにもうひとつのワイナリーは「ラ・プレンディーナ」(ロンバルディア州)といいます。
3つのワイナリーはヴェネトとロンバルディアの州境にあります。
現在ルチアーノとフランコの兄弟が高品質のワイン造りを行なっています。
弟のフランコはヴァルポリチェッラが大好きだったので2000年に新たにこの地の畑を購入し「トッレ・ドルティ」が始動。
カヴァルキーナやラ・プレンディーナで培った技術をもって、伝統的なヴァルポリチェッラで革新的なワイン造りに挑んでいます。
で、このワインを説明するために、次は特殊なワイン製法も説明する必要もありまして・・。
結論から言いますと、このワイン「ロッソ・プロヴィンシア・ディ・ヴェローナ」は「トッレ・ドルティ」のワインですが、「ラ・プレンディーナ」のワインの要素も入ってます。
《ルチアーノのアイデアで誕生した新スタイルのワイン》
陰干し(アパッシッメント)ぶどうの赤ワイン、甘みと凝縮感があり当店でも人気があります。
この手法で最も有名なのがヴァルポリチェッラ・アマローネです。
原料は干しぶどうなので糖分が高く、ワインを醸造したあとの搾りかすにも糖分が残っています。
この搾りかすを入れて再発酵させる手法をリパッソといいます。
リパッソのワインは力強かったり、アルコール度数があがったりと個性が出ます。
そのリパッソで造ったのがこの「ロッソ・プロヴィンシア・ディ・ヴェローナ」です。
搾りかすは、ラ・プレンディーナの「ガルダ・メルロ・ファイアル」のもの。
(ファイアルは最大3ヶ月アパッシッメントしている葡萄で造られています)
まずコルヴィーナとロンディネッラ、コルヴィノーネで、ベースワインを仕込みます。
そして、「ガルダ・メルロ・ファイアル」を醸造した葡萄の搾りかすに、このベースワインを入れて再発酵。
熟成はバリック(2年、3年使用樽)と20hL入りの樽で12ヶ月。
ルチアーノ談:
「ヴァルポリッチェッラ地域では、伝統的にアマローネを造った葡萄※の皮でリパッソを行ないます。しかし、私はそれをメルロで行なうことにしたのです。コルヴィーナやロンディネッラのチェリーやペッパーの風味に、メルロのカシスやブラックベリーが組み合わさったら面白いと思い、このワインを造りました」
※ヴァルポリッチェッラの品種はコルヴィーナ、モリナーラ、ロンディネッラなど。
・・長いですよね。これ、店頭だったら説明できないですよ・・。
ここまでの話を理解して力尽きた方は、もうカートに入れてください。
これだけ手間のかかっている製法なのに、この価格っていうのもすごいです・・
《強さと柔らかさを両立した美味しさ!》
透ける赤紫の美しい色合い。
赤い実、黒い実の果実香に加え、キャラメルのような甘い香りも。
とてもまろやかなアタックから、徐々に果実味の濃さや味わいの要素の凝縮感が。
ほのかに干しぶどうの風味もあります。
バランスの良い酸、しっかりしたタンニンともになめらかで丸く、ひっかかりません。
ワイン法上ではもちろんヴァルポリチェッラ・リパッソではありませんが、よりオリジナリティと面白さを持ったワインです。
特殊な製法ではありますが親しみやすい味わいです。
家庭料理の肉料理全般に合わせられますし、またワイン単体でも楽しめます。
豚や鶏肉の照り焼きなど甘みを感じる肉料理にもお薦め。
アールデコ調のラベルの美しさにも目を惹かれます。
これは叔母さんに描いてもらったもので、銅版画に色を付けているそう。
仲の良さがワインの味わいにも繋がっているようですね。
《3つのワイナリーから愛あふれるワインを!》
カヴァルキーナはワイナリーのある地域の名前で、カヴァルキーニ伯爵の邸があったことに因んでいます。
ワイン造りの歴史は古く、1848年には既にクストーツァの地域において最も重要なワイン生産者として記録されています。
また、オーストリアのハプスブルグ家が作成した地図では、第1級、第2級に格付けされました。
1911年にピオーナ家が所有者となり、1948年にルチアーノの祖父が自分用のセラーを建設。
タンクをステンレスタンクに変更したり、設備を刷新したりしてきましたが、今でもそのセラーを使用しています。
1958年、のちにプレンディーナの名前でリリースされる畑を購入。
1962年、伝統的な葡萄品種から新しいブレンドの白ワインを造り「クストーツァ」と命名。
質よりも量が重要視されていた当時、品質重視のプレミアム的なワインを市場に送り出すことは容易ではありませんでしたが、粘り強い努力の結果、1971年にD.O.C.に指定されるまでになりました。
2000年、トッレ・ドルティのワインとなる畑を購入。20.5ha。
畑にするには急すぎる斜面や森があるため、一ヶ所でなく点在。
トッレ・ドルティとは、サン・マルティン・ブオンアルベルゴにある地区の名称。
かつては防塞のための監視塔が建てられ、その後はオリーヴや葡萄や穀物の畑として使われました。
「ガンベロ ロッソ2010」で「今年のエノロジスト」に選ばれたロベルト・フェッラリーニが2ヶ月毎に来てブレンドなどを担当しています。
葡萄の乾燥は、出来るだけゆっくり低い温度で行うのが理想で、乾燥室ではセンサーで部屋の温度と湿度を測っています。
積み上げられた箱の列ごとに空気循環器が設置され、自宅のパソコンで管理しています。
(文章:佐野 雅子)
商品スペック | |
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タイプ | 赤 |
ヴィンテージ | 2019 |
容量 | 750ml |
保存 | 静かな冷暗所 |
生産国 | イタリア |
生産地 | ヴェネト州(イタリア北部) |
生産者 | トッレ・ドルティ |
■味わい:フルボディ ■ぶどう品種:コルヴィーナ55%、コルヴィノーネ10%、ロンディネッラ20%、メルロ15% ■格付け:I.G.P. ■アルコール度数:14.5% |