ドイツ モーゼル・ラインを、店主まーちゃんがゆく...その1
●2001年6月27日(水) いよいよドイツに出発 何故、ドイツに旅立つのか?それは「ゴールデンウィークに休みがとれなかった憂さ晴らし」が少し加わっている事も否定できません。本当のところは、今年は佐野屋酒店に中野さんという心強い?従業員が加わり外出できる時間が増えました。そこで、行ける時にヨーロッパに行っておこう、という事で涼しいドイツを選んだのでした。 直通便ではなく、少しケチって香港経由で17時間もかけてドイツに向かいます。(帰りは香港で飲茶をして帰ろうという魂胆です。)6月28日(木)午前6時半すぎ、フランクフルトに無事到着。狭くて、怖くて、退屈な飛行機から開放され、次は楽しい列車での移動。発車時間までの間に国際携帯電話(日本から持っていけるタイプをレンタル)で最初の訪問蔵「ヨハン・ハールト家」に到着時間を電話。気分は既に「世界の車窓から」です。 ●フランクフルトからピースポートへ いよいよ電車に乗り込みます。列車内はコンパートメント(個室)になっていて、ネスカフェのCMのよう。スピードは日本の新幹線には及ばないものの、2等でも快適感はグリーン車以上。フランクフルト空港駅からICE(日本で言う新幹線)で一路コブレンツへ。コブレンツは、ライン川とモーゼル川が出会う町です。列車はライン川に沿って走るため、川沿いにある古城や葡萄畑がとてもきれいに見えます。 ライン川は川幅の広い所では1キロにもなる大河。観光船はもちろんのこと、木材などの貨物船も多く行き交います。しかし、この大河にかかる橋は、コブレンツ〜マインツ間(ICEで約2時間の距離)にたった2本!聞いてみると財政の問題なのだとか。住んでいる人たちは対岸が見えながら行き来することはとても困難です。(渡し舟はあるようです)斜面の葡萄畑に感動して写真を撮っているうちに、約2時間でコブレンツに到着。ここから、ハールト家の最寄り駅ヴィットリッヒ駅までモーゼル川沿線の列車に乗り換えです。 コブレンツ出発からしばらくたつと、正に超急斜面の畑が見えてきました。今まで「斜度70度」なんて聞くと「いったいどうやって植えてるの?」と思っていましたが、実はとっても狭い段々畑状になっているんです。一つの段に2〜3列くらいしか樹が植わっていない畑が、斜面(というか崖っぷち)を作っています。この畑には本当にびっくりしてしまいました。もちろんいくらモーゼルでも、こんな畑ばっかりではありませんが。 ●ヨハン・ハールト家 ヴィットリッヒ駅で降りた東洋人は私達のみ。なので、すぐに「佐野さんですか?」と声を掛けられました。ハールト家のご主人Gerdさんと、弟さんのNorbeltさんでした。Gerdさんは静かな印象のある方。快活な印象のNorbeltさんはトリアー大学の地学の先生で英語も堪能。お兄さんに代わって、多くの説明をして下さいました。お迎えのヴァンに乗って、まずはピースポーター・ゴルドトレプヒェンの畑へ。日本ではトレプヒェンと書きますが、実際のドイツ人の発音は「トレプシェン」の方が近いです。これに限らず、実際の発音と私がカタカナで覚えている畑名が 違うので、何回か言ってもらわないとわからない時もありました。基本的なことから説明すると、「ピースポーター・ゴルドトレプヒェン」というのは、「ピースポート村のゴルドトレプヒェン畑で採れた葡萄を使ったワイン」ということ。同じ畑を複数の蔵元がもっているので、同じ名前のワインであっても誰が作ったかということが重要です。ヨハン・ハールト家はこの畑の最大の所有者で、今やピースポートのトップクラスの生産者と言えます。 ハールト家は650年以上に渡りこの地域で葡萄栽培に携わっている記録が残っています。ワイナリーは当主ゲルドさんのおじいさんが創立しました。所有畑は6ヘクタール。うち4ヘクタールがリースリングです。生産量の半分が国内、残り半分がアメリカと日本に輸出されます。現在ドイツでは食事に合せやすい半辛口〜辛口のワインが人気ですが、日本やアメリカでは依然「ほのかに甘いリースリング」が期待されるとのことで、生産量の70%は甘口です。 ゴルドトレプヒェンの畑の話に戻りましょう。山の中腹に車を止めると、やはり想像以上の急斜面。この急斜面が、太陽の光を最大限に受け止めるのです。北国ドイツ・モーゼルでは、畑の向きや積算温度のわずかな違いが、他の産地以上にワイン作りに影響してくるのが良く解ります。眼下には大きく蛇行するモーゼル川と対岸の平地(トレプヒェンの畑がある)が広がり素晴らしい眺めです。「トレプヒェンとゴルドトレプヒェンの差が解りました」と言うと、お二人とも大きく頷いていました。 光合成をより促すため葉を多く茂らせているとのこと。葡萄の実はまだまだ小さく直径5〜6ミリという感じです。1週間ほど前に花が終わったとのことで葡萄の実を取り囲むように、おしべのように見える水分を失った小さな小さな花がまだ残っているところもあります。モーゼル川流域では、粘岩板質(見た目には石がちな硬い土質)の上に、シーファーと呼ばれるスレート状の黒くて何層もある平たい石がたくさん覆っている土壌。、このシーファーが、昼の間の温かさを夜も維持し、また雨が降った場合もしっかりと水を蓄えるのだそうです。成育期間中の潅漑は、ワイン法で禁止されています。 畑見学が終わると、今度はワイナリーへ。立派な石造りのワイナリー(兼住居)の中は、ひんやりとししています。建物の1階がワイン販売所、その奥が薄暗いセラーになっています。使い込まれた真っ黒な樽(フーダーと呼ばれるモーゼル地方伝統の1000リットル樽)が並んでいます。ドイツのワインは基本的には樽の影響を受けないように作られます。なので、樽は何十年にも渡って使われます。このときは既に2000年ヴィンテージはボトリングされていたので、樽の中には収縮を防ぐための水が入っていました。また、様々な大きさのステンレスタンクがあり、収穫量やクラスによって使い分けます。他にはフィルターや圧搾機などがありましたが、思ったより機械は少なかったです。 次は、ピースポート村にある、ローマ時代のワイン醸造所を見学。(2〜3世紀のものと推測されている)このあたりではローマ時代からワイン作りが行われていたのです。遺跡はきちんと復元されており、一番上の破砕槽で葡萄を足で踏みつぶします。葡萄ジュースは槽の穴から次の槽に流れ落ちます。踏みつぶされた葡萄は圧縮機(機というほどのものでもないですが)に入れて更にしぼられ、さきほどのジュースと混ぜ合わせ、醸造。この時代の人々は、ワインを温めて、またはちみつや様々な草をつけ込んで飲んでいたらしいです。年に1回、この遺跡でお祭りが開かれ、実際にここで足ふみでこんなワインを再現するそうです。「おいしい?」と訪ねたら「No」ですって。(笑) ところで、このピースポートの辺りのモーゼル川流域の村では、洪水の被害を何度も受けています。モーゼル川の源はフランスのアルザス地方。ドイツの気候だけでなく、フランスの気候の変化の被害も被ってしまいます。昔は小学校だったという建物の壁には、私の背の2倍ほどの高さの所にまで洪水時の水位の線が書かれていました。大変な所だ・・。 さて、いよいよヨハン・ハールト家のワインの試飲。お部屋は落ちついた雰囲気で、真っ白なテーブルクロスの上にはトレプヒェン ゴルドトレプヒェンの2000ヴィンテージQbAからカビネット、シュペトレーゼ、アウスレーゼとずらり。ゲルドさんが1本1本開けてくれます。どのワインにも共通するこの生産者独特の香りがあります。酵母について聞くと「培養酵母を使っている。純粋酵母も良いが、思い通りにならないことも多い。培養酵母を使うと独特の花のような香りになり、うちの蔵ではその香りも大切にしているので」とのこと。 どのワインもさすがに若く、ぴちぴちした炭酸が感じられ、とてもクリーンな印象。そして確かに、白い花を連想させるような柔らかな香りに溢れています。特に私は「ゴルドトロプヒェンQbA」「ゴルドトロプヒェン・カビネット」に、「多くの人が求めるモーゼルの清涼感」を多いに感じました。 試飲が終わって奥様の手料理ランチをご馳走になりました。ホワイトアスパラガスのスープ、ツナクリームとパイ、デザートは旬の苺を使った一品です。苺のピューレの美味しかったこと!盛りつけにもセンスが感じられ、まるでレストランのようでした。 少しくつろいだ時間にタイミング良く、次の訪問先である「シュロス・リーザー」のトーマス・ハーグ氏がお迎えに来てくれました。お礼とお別れを言い、ヨハン・ハールト家を後にしました。 ●2件目の蔵元 シュロス・リーザーへ 「シュロス・リーザー」のオーナー、トーマス・ハーグさんは、銘醸フリッツ・ ハーク家の長男。出発前に、輸入元からはトーマスさんのお父様(フリッツ・ハーク家当主ヴィルヘルム・ハーク氏)の写真が送られ、「この方ですので、ちゃんと顔を覚えておいて下さい」と念を押されたほどの実力者。ゴーミヨ(有名なレストランガイド)の「94ドイツワインガイド」ではドイツ最高の生産者に選ばれています。ちょっと緊張しながら車に乗り込みましたが、「今日は父はアメリカに行っています」とおっしゃる!「ふぅー」と緊張が解けました。とはいうものの、トーマス氏だって大物なんです。92年に「シュロス・リーザー」の醸造責任者として雇われ、数年後にはこのワイナリーを買い取っています。しかも、ジャーマン・ワイン・ガイドで4つ星を得ている数少ない若手の一人。でも、Tシャツにショートパンツ姿は、普通のお兄ちゃんでした。 車はまずまだ苗木が小さな畑へ。3年ほどで実は採れる(品質的にはまだまだだけれど、実際に実が採れるという意味)そうです。ここの畑もまたすごい急斜面。「すごく険しいですね。仕事は大変でしょう?」というと、「ここに生まれ育っていれば、そんなに険しいとも思わないよ。仕事も見た目より足場がしっかりしているのでそんなに滑らないし大丈夫。」とのこと。でも私だったらとてもじゃないけどこの急斜面で作業はできない!足をとられたら、斜面の一番下までころころと真っ逆さまに転がってしまいそうです。生えている雑草は一切除草剤を使わず、手で抜くそうです。この斜面の坂は、なかなかうまく撮れているので、皆さんにも険しさが良く解っていただけると思います。 ●怒濤のティスティング 続いて車はシュロス・リーザーへ。シンプルながらカントリー調にまとめられたテイスティングルームはかわいらしく、ペンションの一室のよう。「これがテイスティング・リスト」と渡された紙には、お父様のフリッツ・ハーク氏のワインが5本、ご自身のワインが8本、計13本ものワインが載っています。トーマス・ハーク氏は「自分の名前(シュロス・リーザー)が品質を物語っている、というつもりで造っている」ため、ニーダーベルク以外は全てグーツワイン(生産者名のみで、村名や畑名をつけないワイン)で出しています。 「QbAはわずかに加糖しています。たくさん加糖して人為的にアルコールをあげたものは長く寝かせられません。」「アルコールがそんなに高く無ければ2人で1本開けても飲み疲れないし、そういうのが良いワインです」「モーゼルワインは、瓶詰め3〜4年後に味わいや香りが休眠状態になってしまうことが多い。いつ飲むのがベストかを見極めて売っていかなければなりません」「ラベルには辛口や半辛口の表示はしません。法定より微妙に残糖を残したい時もあるから」「酵母は天然酵母のみです。畑の個性を出したいから培養酵母は使いません」等、トーマス氏流のこだわりの言葉が次々飛び出します。本当に真摯にワイン作りに取り組んでいるという事が感じられました。 同行していた主人は、透明感があるすっきりした、ハーク親子のワインがすっかり気に入り、「どのワインも素晴らしい。好みだ」と言っていました。それをトーマス氏に伝えるとにっこりと笑って嬉しそうでした。親子のワイン作りの手法は共通しており、土壌の違いだけが「違い」だそうで、なるほど、どのワインにも「飛び抜けたきれいさ、透明感」というものが共通しています。 テイスティングしているとまたお客様が来ました。若い女の子2人連れで、何と南アフリカから来たそうです。さすが有名生産者の名前は世界に響き渡っている! ●ヴィリ・シェーファー家のベランダはヒンメルライヒ(天国)だ! そうこうしているうちに次の訪問蔵である「ヴィリ・シェーファー家」シェーファー氏がお迎えに来てくれました。シェーファー氏も私達に交わりシュロス・リーザーをテイスティングしたあと(モーゼルの生産者は皆、仲が良さそうです。)、車でまずベルンカステルの町に。 ベルンカステルはモーゼル観光の中心になる小さな町。川沿いの道にはパラソルとベンチが置かれ、お年寄り達が飲み物を片手にくつろいでいるのどかな所です。石畳とドイツらしい木組みの家が並ぶ広場など少し町をぶらぶらと散策してみました。その短い間にも何人かがシェーファー氏に声をかけてきます。穏やかで気さくな彼の人気が伺えます。有名な「ベルンカステラー・ドクトール」の畑も見えました。この畑名は、トリアーの司教の病気がこの畑のワインで直ったということに由来しているのです。 さて、シェーファー氏は今最も注目を浴びる生産者の一人。先日はニューヨークタイムズ紙のモーゼル特集でもJJプリュムに次ぐ評価を得ており、ワインのトレンド発信地のアメリカでのこの高評価により、ただでさえ極端に少ない生産量の彼のワインが幻になるのは確実。 石畳の住宅街の中にシェーファー家はありました。ほがらかな奥様に迎えられてお宅にお邪魔します。天気がいいからバルコニーでテイスティングしようということになり2階に上がりました。お日さまいっぱいのバルコニーからはドームプロブストの畑が一望できる素晴らしい眺め。教会のとんがり屋根も見え、野鳥の声が響き渡っています。「気持ちいいですね〜。ここで良く食事もされるんですか?」と聞くと、「夏の間はこのバルコニーに住んでいるようなものですよ」とのお答え。うらやましい! ワインはシェーファー氏の僅か2.6ヘクタールの畑、ヒンメルライヒ、ドムプロブストのQbA2000から順にランクを上げて行きます。「二つの畑の違いは何ですか?」と聞くと「畑はそんなに離れているわけでもないので、特に大きな差はないと思っています」とのこと。どこもそうですが、新ヴィンテージなのでフレッシュ感が違う。どこの蔵も共通して、「長期低温発酵」ということを言っており、これが、この清々しい香りとフレッシュ感の秘訣だそうです。こんなふうにお日さまの下で飲むのにはこれ以上おいしいワインはありません。私、正直言ってこの蔵では仕事なんか忘れていました。シェーファー夫妻の優しい笑顔、気持ちの良いヨーロッパの夏の日差し、そして今飲んでいるワインの葡萄畑が見える絵に書いたような美しい風景・・。この環境で個々のワインのレポートを書くなんて、ロボットじゃないとできないです(←なんて言い訳だ・・) ところでシェーファー家は日本茶が大好きなんだそうで、毎日飲んでいるそうです。「良いワインをつくるため食べ物にも気を使い、刺激の強いコーヒーより日本茶を飲むようにしている」とのこと。また、息子さんもワイン作りの勉強をしており、この夏からカリフォルニアの「サン・スーペリー」で実習するとのこと。「去年、サン・スーペリーに行きましたよ」というと、「どんなところ?」と身を乗り出して聞かれました。やっぱり有名生産者といえども人の親・・。ほほ笑ましかったです。 私の友達が結婚した時、職場の人にお祝いにアウスレーゼのワインをもらったそうです。とてもおいしかったそうで、私に電話を掛けてきて「ヴィリ・シェーファーって書いてあるけど、どんなワインなの?」と聞いてきました。その話をすると、シェーファー夫妻は本当に嬉しそうでした。 ●びっくりしちゃう地下セラー! さて、テイスティングのあとは地下セラーに。玄関横の扉をあけると地下に階段が続いています。急にひんやりと寒くなりました。おや?シャトー・ラフィットの空瓶が・・。「年に1回くらい友達と一緒にいろんなワインを飲むんだよ」と少し照れくさそうに教えてくれました。ヨハン・ハールト家で見たのと同じ真っ黒な1000リットル樽。そして圧巻なのが古酒セラー。綿のようにふんわりとしたカビがボトルを覆っています。1920年代のものからあるとのことで、今でもたまに特別な時に開けるそうです。お父さんやおじいちゃんが造ったワインが今でも楽しめるなんて素晴らしいですよね!息子さんと娘さんの誕生年の分はごっそりとあってうらやましかったです。他の生産者が現代風なラベルに変えていくなか、ヴィリ・シェーファー家はずっと「お坊さんがワイングラスを持っている」という古典的なイメージのラベルを貫いています。 続いて車でドムプロブストの畑に向かいます。さすがに少し急斜面は見慣れてはきたものの、それでもさっきまでいた住宅地もモーゼル川もはるか下。「今はこの道路が出来たから楽になったけど、若い頃はこの道がなかったから何か忘れ物なんてしたら、また降りて上がって本当に大変だったよ。」・・そうでしょう・・。夏の暑い時期だったら倒れますよ、ほんとに。葡萄の枝を結わえてあるヒモはラフィアでした。「自然の素材が一番だよ」とおっしゃっていました。 長い一日がようやく終わります。シェーファーさんの車で今晩のホテルに送ってもらうことに。しかし・・「あっ、コンタクトの保存液買ってなかった!(前回書いたように香港の空港で置き忘れた)」と思い出し、恥を忍んでシェーファーさんに頼んで薬局まで連れていってもらいました・・。世界の有名生産者を足に使って買い物までしたのは私ぐらいでしょう・・。 |
ライン川沿いの畑。車窓から最初に見た時は「うわあ!」と喜びましたが、その後は行けども行けどもこんな感じでした・・。 こんなにかわいらしい小さな町や、古城、教会などが見えます。ライン下りの船には乗れませんでしたが、電車からでも充分に風景を楽しめます。 畑には、所有を表す標識が立てられています。これを立てておかないと、どの畝からどの畝までが自分の葡萄樹なのかわからなくなってしまうからです。ヨハン・ハールト家のお隣の畝は、トリアー慈善教会のものでした。 この急斜面です。Norbeltさん(右)と私の距離はたった2メートルくらいなんですよ。 詳しく葉や葡萄について説明してくれました。日中は本当に日差しが強い! 圧縮機です。「一年に2週間しか働かなくていい、楽なやつ」とのこと(笑) 洪水時の水位の壁に、ヒョエ〜〜と驚くまーちゃん。写真はツェルティンゲン村のものです。 シュロス・リーザーの葡萄畑の表札。実は、この表札は葡萄畑の道端に倒れていて、プレートも折れ曲がっていたものを、主人が手で曲げて直し、記念に撮影したものです。右端が波打っているのはその形跡です。 どれだけ斜面が急か、この写真で伝わると思います。斜面の下に見える川がモーゼル川です。他の地域、国のワインの生産に携わる人々が訪問した際、この斜面を見て「モーゼルワインを飲むのはいいが、働くのは遠慮したいね。」と言われるそうです。この急斜面をも克服する労力が素晴らしいワインを産みだします。 ヴィリ・シェーファー家の畑の標識。青い空と、ちょっとくたびれた標識に絡まる葡萄の枝、絵になります。 熱心に畑の説明をしてくれるシェーファー氏。写真では判りにくいかもしれませんが、いつも目元が微笑んでいるほんとに穏やかな方です。 |
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